歩いても歩いても
2009年 02月 17日
全編、是枝監督の「味」が満ち溢れてます。
人が聞けばどうでもいいような、他愛の無い家族の会話。
家族の命を育て守っている、母の「音」。
包丁の音、揚げ物の音、野菜の皮をむく音・・
せわしなく行き来する、小刻みな足音。
合間に交わされる、娘や息子、可愛い孫との会話。
気を使っているようでいて無遠慮な、嫁に掛ける言葉。
体は大きいのに、なんでか存在感の薄い夫。
当たり前の生活の中に大きく陰を落とし、決して消える事のない悲しみを
残している、長男の死。
「歩いても歩いても」
どんなに歩いても、親の人生に追いつけないって意味かと勝手に思ってましたが
違いました。
そういうとこから来てたか~~。
こういう作品は、ただ「良い」とか「良くない」とか言うものではありません。
観たまま、そのままをどう捕らえてどう感じるか・・
それは、人それぞれでいいのです。
私は、「母」を見せ付けられました。
はぁ~・・。
「ワンダフルライフ」同様、観た後しばらくは、ふ~~ってなった。
背中を壁にもたれさせて、頭をカラッポにして、何も考えないまま
しばらくボケっとしてました。
この作品は、そうとう好きになりそう・・。
きっと、何度も観てしまうと思う。
by pannie
| 2009-02-17 00:00
| 映画 是枝裕和監督