重力ピエロ
2009年 12月 11日
『春が2階から落ちてきた。
春というのは、弟の名前だ。』
予告で何度か耳にしていたこのフレーズ。
一番最後にさりげなく話す父の台詞で、なんとなく納得できたような気分に
なったけど。
正直言えば、まだいまひとつ理解できていない。
しかし、父の台詞
『俺達は、最強の家族だ。』
この言葉には、大きく納得。
あぁ・・・。本当に、最強だ。最も強いのは、お父さん、アナタだ。
あなたのその強さと優しさがあるからこそ、男3人、最強の家族になれたのだ。
【遺伝か、環境か】
遺伝子学を学ぶ兄・泉水が聞いていた講義のテーマが、この家族の運命に大きく
関わっている。
そこここに散りばめられた、遺伝と環境が人に与える影響。
そういうの丸ごと全部、なにもかもひっくるめて、父は息子をスッポリと包む。
兄は、父と弟を守ろうとし、同じように弟も、父と兄を守ろうとする。
小日向さんが演じた父が素敵だった。
若かりし頃の髪型は、ウケ狙いなのか何なのか?
ついつい、ププっと笑ってしまうんですけど。
そこはまぁ、ご愛嬌の範囲だったかな。
これで興ざめしてしまった人は、残念でした。
登場人物が少なくて判りやすかったのと、脇を固める役者が良かった。
特に・・・「夏子」さんのキャラの面白さったら。
思い出してもクスクス笑える・・・。
面白いだけでなく、しっかり役に立っていたし。
あ、あと、子役の2人が大人になった2人をそのまま小さくしたような男の子達で、
とても良かった。
特に、兄ちゃん(加瀬亮くん)の子役君は似ていたな~。
それにしても、岡田将生クンとは、なんと美しい男の子なんだろうか。
彼の美しさと物悲しげな佇まいは、重力に耐えて凛と立つ男の子「春」そのもの
だった。
私の場合、伊坂作品は1度観ただけでは全てを理解できないところがある。
なのに、観終えた後に妙な余韻に浸ってしまう。
そして、2度、3度・繰り返し観れば観るほど好きになる。
今はまだ映画の余韻に浸っていたいけど、いつか必ず原作も読んでみよう。
by pannie
| 2009-12-11 13:15
| 映画 (日本)