とことんマイペースに気ままに、観たものや読んだものの感想を残しておく場所


by pannie
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

村の写真集

徳島県花谷村を舞台に、離れ離れになった家族の絆の再生を、父と息子を中心に据えて描かれたヒューマンドラマです。


もうすぐダムの底に沈んでしまう予定の花谷村。
村人が愛して止まないその美しい景色と、村人達のつながり。
村役場が中心になって、最後の村人の姿を写真集に収めることになります。
そのカメラマンをかって出たのが、寡黙で頑固な写真館のオヤジ・高橋研一(藤達也)。
研一は、撮影の助手として東京でカメラマン修行をしている息子の孝を呼び寄せました。
長年離れ離れで暮らしている孝は、頑固者の父親に親身な気持ちで接する事ができず
ぎくしゃくした関係のまま、父親の先導の元で撮影が進められます。
撮影中も、父親はろくに何かを話してくれるわけでもなく、ただ黙々と山道を歩いて回る毎日。
孝は、自分がわざわざ呼び戻されなければならなかった理由がわからず、撮影を重ねるごとに嫌気がさすのですが・・。


寡黙な父の心の内には、息子には知りえない親としての思いがあります。
当たり前ですが、若造にはそんな事は判りません。また、判ろうともしません。
父も、あえて言葉で伝えようなどとはしません。
だけど、同じ目的で同じ時間を重ねるうちに、何かがキッカケで伝わることがある。
強く伝えようとしなくても、ひたむきに生きていれば、判り合える時が来る。
1歩踏み出す勇気を持てば、許される時が来る。
親子とは、家族とは、簡単には崩れたりしない物。


景色の美しさと村人達の素朴さ。
そもそも日本の映画はこうでなければ・・と素直に感じ入る事が出来る作品でした。
父と息子が山道を歩く・・。このシチュエーションは、中国映画の『山の郵便配達』をどうしても彷彿させてしまうのですが、そこはまぁ 深く考えない方が良いかと思います。
生まれ育った村がダムの底に沈もうとしている時、ふるさとが無くなってしまう現実を受け入れながら、村人がその日までをどんな思いで過ごすのか。
大袈裟に騒ぎ立てない静かな描写の中に、その悲しみを感じずにはいられません。
便利な都会に生きてる私など、この映画の人々から教えられる事は多かったです。

あまり知られていない作品のようですが、是非ご覧になってみて下さい。

村の写真集 公式サイト
[PR]
by pannie | 2006-07-03 00:25 | 映画 (日本)