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by pannie
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イズ・エー [is A.]

少年法を真正面から捕らえた、大変骨太で力のある作品でした。
こんなに力強い作品があったとは。
同じテーマを扱った作品に『誰がために』がありますが、私はこっちが断然好き。
少年を演じる小栗旬が上手い。
『誰がために』の少年は小池徹平でしたが、ただ憎たらしいだけでした。


観終えてすぐ、ネットで他の人の感想を探ってみました。
たいていの作品がそうであるように、凄く低い評価をつける人もいれば高い評価の人もいる。
陳腐で駄作との感想が多くて驚きます。
たしかに、とてもオーソドックスな作りではありました。
想像力を働かせながら把握していかねばならない場面が多い点が、評価を下げるのかもしれません。


加害者である少年(小栗旬)とその父親(内藤剛)、そして少年が起こした爆破事件で家族を奪われた刑事(津田寛治)。
少年は法に守られ名前を変えて生き続ける。
世間が何と言おうと、息子を愛し、更生を信じ守り続ける父。
刑事は、何の罪も無い妻と息子が死に、犯人が生き延びる理不尽に耐え難い思いで耐え,復讐心のみに生かされてる。
相対する立場で、互いに息子を愛して止まない二人の父親のぶつかり合いが痛々しい・・。

たいていの場合、見るものは被害者の立場に感情移入するのが自然でしょう。
津田寛治が演じる被害者の父親の怒り、憎しみ、空しさ・・それらは、割と簡単に想像出来る。
この作品の凄いところは、加害者の父の心情を強く打ち出している点だと思います。

少年が爆弾事件を起こしたのは何故かと言うことは、一切語られません。
父親は、自分の息子がなぜそんな人間になってしまったか、どうしても判らない。
犯罪を犯した本人も、父親に何か不満をぶつけるわけではない。
その少年の衝動は、誰にも止めることが出来ない。
物静かでおとなしく美しい顔立ちの少年の、「静かなる狂気」としか表現出来ない世界があるのでした。

重いです。
凄く凄く考えさせられます。
でも、いい作品です!!
そして、津田寛治さんが見事です!!!

イズ・エー
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by pannie | 2007-01-28 00:43 | 映画 (日本)