とことんマイペースに気ままに、観たものや読んだものの感想を残しておく場所


by pannie
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ゆれる

西川美和監督の完全オリジナル作。
なかなかに見応えありで、役者の演技も魂が篭ってて力強い作品になってた。
ヒジョーに人間くさく、男くさい。(が、汚くない)
オダギリ・ジョーの作品はいくつか観ているけれど、この作品の彼はこれまでの物より数段上を行くのではなかろうか?

売れっ子カメラマンで無意味にデカイ外車のハンドルをふてくされた様に握る姿勢。
女なら取り合えず誰でもオッケーみたいな甘さと冷たさの混ざった眼差し。
兄ぃちゃん(香川照之)には敵わないと感じていると同時に、どこかでチョットだけ小馬鹿にしてしまっているらしき表情や、父親への嫌悪感丸出しの言動。
序盤に見せる彼の表情があまりに似合っていて、嫌な男なのにグイッと引き込まれた。
・・・ちょっと悔しい・・・。

そして、そんなオダギリ・ジョーとは真反対のタイプを見事に演じきった香川照之さん。
凄い!凄いとしか言いようがなくて、自分のボギャプラリーの少なさが情けなくなってしまう。
母亡きあと、父と二人で自営のガソリンスタンドを守って生きてきた。
気が付いたら結婚どころかろくに恋愛もしないまま40代になっていた。
弟と正反対の容姿と面白味の無い性格が原因なのか、まったくモテないまま過ぎてしまった。
まじめに働き、アルバイト従業員のトラブルを対処し、面倒見がよいことから従業員には慕われているし、母の代わりに家事一切を全てこなして父親の面倒を見ている。
世間的には、非常に良く出来た兄ちゃんだ。
その「よく出来た」加減が良く出来過ぎていて、観ていて不気味な雰囲気を感じる。


昔、弟の彼女だった女があっけなく吊橋から落ちて死んでしまう事件から、兄弟関係に歪みが生じる。
本当は、その前から少しづつ歪んでいたのかもしれないけれど・・。
ストーリーを知ってしまうと面白さが半減する内容なので、多くを語るのは止めておこう・・。

これは、ネタバレで語り合うのが面白い作品。

兄弟や家族の絆ってものは、何で図るのか?
物差しはないけれど、「深い」「強い」と思っている信頼関係や愛情は、意外と簡単に崩れ去ってしまうものなのか?
ただ長い間一緒に暮らしていたから無意識に刷り込まれていただけで、本当はそんなもの最初から無かったんじゃなかろうか?
そんなはずはない、それは違うはず・・・。
ラストの兄弟の表情がなんとも切なく物悲しい・・。

でも、観終えて口を付いて出てきたのは


「あ~~!もう・・・。
  せやから、どやねん!?」


・・・・・。

どうか、皆さん観て下さい。



ちなみに、西川監督の1作目「蛇いちご」も最後はこう思う・・・はず。
これの感想もそのうち書いておこう。



それと、ちょっと余談・・。

エンドロールを見て、ハタと気が付いた。
そうか・・これは、是枝監督が関わってたのか。
キム兄が出て来たのを観て、「誰も知らない」を思い出してた。
この人は、将来有望な新進監督の映画に出るのが好きなのか?とか思った。
キム兄、嫌なヤツをあまりにも上手く演じてたので見直した。
いや~~、あれは嫌!・・小憎ったらしいったらなかった。


最後に一言。

字幕が必要!!!


聞き取りにくいねん。
日本人やけど、映画の台詞は聞き取りにくいのよ。
ボソっと喋られたり、大声で怒鳴りながら捲くし立てられると尚判らん。
日本映画にも、日本語字幕を標準で付けて下さい。
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by pannie | 2007-04-14 01:41 | 映画 (日本)