とことんマイペースに気ままに、観たものや読んだものの感想を残しておく場所


by pannie
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<   2006年 06月 ( 3 )   > この月の画像一覧

メゾン・ド・ヒミコ

小さな工務店(?)で事務員として超地味~に働くサオリ(柴咲コウ)の元に、ある日突然春彦(オダギリ ジョー)が尋ねてくる。
春彦は、若くて美しい容姿と何とも不思議な雰囲気を持っていた。
彼は、かつてサオリと母を捨てて出て行った、サオリの父のオトコだった。
春彦は、金に困ってるサオリにバイトの話を持ちかけに来たのだった。
サオリの父が作ったゲイの為の老人ホームで、週末に雑用をしに来ないか、と。
サオリの父は、病に付しており余命いくばくも無い状態だった・・・。


私、タイトルしか知らなかったんです。
ジャケットを見て、そういえばこの2人の映画だったっけな。
確か、韓国で好評だってニュースを読んだっけな。観てみるか・・。
って軽い気持ちで手に取ったんですけども。

またもや、ゲイのお話でした。 ビックリ。

そして、これがまた良かったの。すごく・・。すごく良かった。
監督は『ジョゼと虎と魚たち』の 犬童一心さん。
何気ない日常の中にいる、ちょっと特異な人たちを描かせたら この人の右に出る監督は今いないんじゃないだろうか?
・・・なんて、私の知識で言えた事じゃないんですけどね。

ゲイの為の老人ホームだからね、ゲイのおじいちゃん(おばあちゃん?)が数名出てきます。
若い子も一人いたな。
バイトの為にホームに足を踏み入れたサオリは、最初は「ギョッ」「ゲッ」「うへぇ・・」
な表情しか見せません。
ところが、同じ時間を過ごす中でその心を知るにつれ、本人が気が付かないうちにサオリの中でホームのみんなへの気持ちに変化が現れます。
徐々に、みんなの中に溶け込んで打ち解けていくんです。
けど、父親がカミングアウトして自分と母を捨てた事を、サオリは決して許せない。
サオリは母が悲しみの末に死んで行ったと思い込んでいたのです。
ところが、父親から知らされた事実はちょっと違っていました。

みんなと仲良くなりつつも、身勝手に見える考え方に対しては、あからさまに反発して嫌悪感をあらわにするサオリ。
だけど、反発するんだけど・・・自分でも説明をつけられない感情を抱くようになっていて、サオリはすごく揺れるんです。
そんなサオリを見ている春彦も、少し揺れます・・・。


内面は女なのに、男として生きる努力をしている人の苦悩と苦痛、息苦しい思いを見事に伝えてくれる作品です。
なんだけど、その伝え方が重くない。ぜんぜん、重くない!
全般にわたって、あくまでも柔らかくて優しくて、切なくて美しい。
外見がまるっきし男性のおじさんが、ドレスを着たりスカートを履いたり、それは確かに滑稽で似合わない姿です。
今、例えば家の前をそんな人が通ったら、そりゃもう腰を抜かしてしまうでしょう。
でも、この作品の中にいる人たちの姿は、可愛くてたまらないって感じてしまう。
ずっと我慢して耐えて頑張ってきてたんだって思うと、全然似合わないドレス姿に涙が出てしまいますよ。

劇中に、ある人の長年の思いをかなえる為に、夜遊びをしに行くシーンがあります。
切なくて悲しくなってしまうシーンです。
だけど、そこを弾けて踊りまくって吹き飛ばしてしまう皆にお腹抱えて笑っちゃいました。
踊るシーンは、好き嫌いが分かれそうなんだけど、私は好きだなぁ。
また、ここのオダギリジョーさんがカッコいいのよ。上手いとかそんなんじゃなくて。
コウちゃんも、楽しそうだった。
踊りのシーンだけ、何回も観ちゃいましたよ。

せっかくこの世に生を受けたんだから、死ぬ瞬間くらいは自分らしくいたいですよね。
人生の間中、ずぅっと自分らしくいられてる人がどれほどの数いるんだろうか?・・とか思ったりして。
何て言うのかなー。何なんだろうなー。
なんか、とにかく。人に生まれてきて良かったよ。・・みたいな。
そんなあったか~い気持ちがいつまでも尾を引く作品でした。

b0031606_15234284.jpgそうそう。音楽が細野晴臣さんでした。
もう、最高に素敵でした。
もう一つ。ちょいちょいしか出てないのに、かなりオイシイ役で西島秀俊さんも出てます。
オダギリ ジョーさんとのツーショットが、何故か甘く見える・・。
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by pannie | 2006-06-18 15:24 | 映画 (日本)
米ソ冷戦真っ只中の1953年、マッカーシー上院議員による不当な共産主義者排除策に真っ向から立ち向かった、CBSテレビの人気キャスター(エド・マロー)と彼を支えたプロデューサー・スタッフ達。

政治的圧力や報復を恐れ、どのマスコミも一切触れようとしなかった中で挑んだ静かなる戦い。
彼らの放送は視聴者の支持を得、これをきっかけに、世の中が少しづつ動き始めた。
が、スポンサー重視である会社との対立の末、エド・マローの番組は終焉を迎える。


歴史的背景が全然判らない人には、もう判らない事だらけです。
興味が無い人には、全く面白くない作品でしょうね。
私自身も、この時代のマッカーシーの取った政策 いわゆる「赤狩り」については、映画やテレビを通して知ったことしかわかりません。

デ・ニーロの『真実の瞬間(とき)』には衝撃を受けました。

『Good night  And  Good luck』も『真実の瞬間(とき)』も、事実を元に
作られてあるので、興味を持って見れば、かなり深刻に問題を捉える事が出来ると思います。


事柄に違いはあれど、今の時代に必要なのは・・というか、いつの時代にも世の中は、エド・マローを必要としているのではないでしょうか。
ある意味、今この時代にこの作品を作り上げたジョージ・クルーニーの勇気と情熱は絶賛されるべきものだと思います。

政治家個人の私生活や金銭問題を取り上げて無駄な時間を割いてる、どこぞの政治家さんやジャーナリストよ。

あんた達全員、この映画を10回は観なさいっ!!!!!
そして、若かりし頃には確かに持っていたであろう、どこかに置き去りにしてきてしまった正義感を取り戻しなさいっ。

ジョージ・クルーニーのお父さんは、アンカーマンだったんですってね。
エド・マローはクルーニー家のヒーローだったんだそうです。

ドアップになるエド・マローの表情や、放送直前の緊迫したシーン、罠にはめられそうになっても絶対に屈しないエドを支えるスタッフ同士の強い信頼感と友情など、スクリーン全体からジョージ・クルーニーの情熱が伝わって来ました。

モノクロ画面の中で動き回る50年代のジャーナリスト達の姿が、とってもカッコイイ。
職場や、男達が集って酒を飲むバーの雰囲気、そこに流れる音楽も何とも言えずカッコイイ。


強力なメッセージを伝えつつ、カッコ良さで魅了する。よく出来た映画だと思います。
映画が好きだと言うならば、とにかくコレは観ておきましょう。


そして・・・・この作品における、ダウニー・Jr度は85%♪ メイキングが観たいっ≧▽≦。
出番は多くないけど、こんな姿をスクリーンで観る事が出来て、アタシは幸せすぎて目が回りそうでした。
何と言っても、このシチュエーションの役は彼でなくてはならんでしょう!!
ったく、いつ観ても甘い男だ。
そうそう。取材時にダウニー・Jrと行動を共にするカメラマンの名前が「チャーリー」。
何気に遊んでるのね~、監督ってば。


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by pannie | 2006-06-17 23:19 | 映画 ロバート・ダウニー・Jr

タイフーン

もう1ヶ月も前に観たんですが・・感想を書く気合と時間が必要でして。

うかうかしてたら、DVD発売になっちゃう。


**********

20年前、南に亡命を受け入れてもらえず脱北に失敗し、家族親族を皆殺しにされ

たった2人残された姉弟。

命からがら逃げて、逃げて、懸命に逃げたのに、ちょっとしたキッカケで別れ別れに

なってしまう。

お互い、生きているか死んでいるかも判らないまま大人になった姉弟。

弟は海賊のリーダー、シン(チャン・ドンゴン)と名乗り、力を蓄え 今まさに

自分を裏切った南北に対し復讐を遂げようとしている。

シンの計画を阻止するために極秘任務で動く韓国海軍大尉カン・セジョン(イ・ジョンジェ)。

母国を守る為と信じて働くセジョンだが、シンの過去と苦しみを知るにつれ、20年前の

母国の過ちが残した傷の深さに気付き、シンに対して友情に似た感情を抱くようになる。

**********


一気に駆け抜ける嵐の様なジェットコースター式の展開で観せることで、

場面場面で深く考え過ぎることなく、しかし心の奥底にテーマの大きさと深さを残す。

冒頭でシンの残虐性を強調して強烈に印象付けておいて、姉との再会や

脱北前夜の希望に満ち溢れた子供時代の姿を 更に強いイメージで脳裏に焼き付けられる。


20年前、亡命を手助けすると約束した南の役人だけが頼りだったシンの親族。

しかし、実は亡命など許さずに北へ戻す約束が南北で取り交わされていた事実。

南北に裏切られ家族を失った子供が、どこへ逃げられたと言うのか。

誰を、何を頼って生きれば良かったと言うのか。

姉にも、弟にも、その道しか無かった。生き抜くためには、他に術が無かった。


シンの暴動を制止するために、セジョンは極秘で有能な軍人を召集し荒れ狂う海へ出る。

母国を守るためであると同時に、歴史の証人であるシンを生かすため。

政府が動けば、間違いなくシンの命は無い。シンを生かさなければ・・。

セジョンの極秘任務を政府がかぎつけ、大統領に報告が入る。

「わが国の若者は、わが国で守らなければ」。

大統領は、セジョンを援護する覚悟を決める。

けど・・・。20年前、この国は北から逃げたかった人たちを見捨てたのだ。



シンの復讐の手段や海賊達のシーンは、作品を観て楽しんで欲しいと思う。

可能かどうかなどと、深く追求するのは野暮という物です。(笑)

ドンゴン氏もジョンジェ氏もミヨン氏も、渾身の演技で見せてくれました。


韓国作品を観ない人にも、歴史を知るために是非手に取って欲しい1本です。

自分がどれだけ平和ボケしてるか、身に沁みて痛いくらいでした。

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by pannie | 2006-06-07 16:24 | 映画 イ・ジョンジェ