感想を書く時間と気力がなかったのだけど、今なら書けるぞ。
いまさらですが、ネタバレてますので気になる方は飛ばしちゃって下さい。
最後、想像通りの結末を迎えた鉄平でした。
あの冷たい雪の中、自分の生きてきた道を振り返り、父からの愛情を一度も感じられなかった事を悲しみ、悔やみ、失意のどん底から抜け出す事ができないまま命を絶ちます。
自分の存在が周りを不幸にしていると思い込んだまま・・。
皮肉にも、鉄平が選んだ「死」によって警察は鉄平の遺体を司法解剖。
鉄平の本当の血液型が判明し、爺さんの子ではなく大介の子だった事実を知る事となった万俵一家。
この残酷な事実を突きつけられた大介達は、どんなに後悔してもしきれないはず。
大介はショックを受け己を攻めていたようですが、反面どこか安心していた様にも見え・・。
なんだよ、結局自分が一番大事なのかと感じて観てました。
銀平の一言に、私は思わず「そうだそうだ!」と呟いてました。
「お兄さんを殺したのは、お父さんと僕だ」
って意味の台詞でした。その通りだ!
鉄平が書いた手紙には涙が出ました。
ただただ悔しい気持ちで一杯になりました。
死ぬ事でしか証明できなかった真実と、死んで初めて父から愛される事が出来たなんて現実はあまりに寂し過ぎる。
大介は本当に情けない。情けな過ぎるよ。
鉄平を失うまで判ってあげられなかったとは。
妻を信じ、息子を愛してさえいれば万俵家は幸せに満ち溢れていたはず。
大介が疑惑を抱きながら生きなければならなかったのは確かに不幸だったと思う。
誰が一番いけないかって、そりゃもう爺さんだと思う。
鉄平は爺さんに似ていたらしい。
鉄平も爺さんが好きだったようで、きっといい人だったんだろうけど。
なんで、あんな考えられない事をしたのか。お金持ちの考える事はワカラン!
しかし、今では考えられないと思うのだけど、当時は血液型の調べ間違いなんて珍しい事ではなかったようで。
爺さんの欲望に任せた許されがたい行動で信じられないと思ったけど、これも本当に絶対信じられない!
最後、阪神特殊製鋼の高炉に火が入り鉄平の夢は叶いました。
鉄平に見せて上げたかった。
辛い人生だったかもしれないけど、やはり鉄平は死んでしまってはいけなかったと思います。
愛して信じて慕ってくれる妻と子供と従業員達を、置き去りにするべきではなかったと思います。
鉄平の心の痛みを実際に経験していない私は、他人事だから無責任にそう思うのかもしれないけれど。
最後に、高須相子を演じた鈴木京香のハマリっぷりとカッコ良さに拍手!
万俵家、怖っ!
・・・恐るべし、お金持ち。
おかしいって! 何か原因があるのはわからんでもないが、歪み過ぎてます・・鉄平の父(北大路欣也様)。
そして、高須相子(鈴木京香)!!
この女、怖いっ~~~~~~っ!
今回で、鉄平の出生の秘密がわかるのかと期待していたのですが、違いました。
鉄平が、昔の恋人・芙佐子と別れねばならなかった訳が判りました。
当然のごとく、それは高須相子の仕業だったわけで。
芙佐子から事実を知らされた鉄平、メラメラと怒りの炎に包まれます。
母(原田美枝子)をないがしろにし、思うが侭に振舞う高須相子を、もう許す訳には行かない。
ところが、父・大介は、相子を手放そうとはしない。
なにか理由があると感じつつも、その本心にはふれられず、父子の心は離れるばかりのよう。
鉄平が
「高炉建設の融資決定には、息子としてでなく企業人としての判断を」
と、大介に申し入れる。
この一言の意味を、大介は取り違える。
というか、根本的に考え方が違う二人。同じ言葉をとっても、解釈が全く違う。
鉄平は、夢を見ているだけのように見えるが、実は日本の経済全体を厳しく見ている。
自社の高炉建設による事業拡大は、そのまま日本の経済の活性化に繋がる・・と信じているように見える。
しかし、父・大介の目に入っているのは『阪神銀行』の行く末のみ。
とにかく、メガバンクに呑み込まれてはならない、自分達の銀行を守り通さねばならない。
呑み込まれたが最後、万俵家も終焉を迎えるから。
手段を選ばず、地位と力と金に物言わせる父親のもとで、鉄平の様に真っ直ぐな人間が育ったのは、不思議だわ・・。
お爺ちゃんに似てるから?その影響?・
これまでの放送から見ると、鉄平はお爺ちゃんの子らしいと想像されるけど、本当にそうなのだろうか。
もしかして、大介は爺ちゃんの実子じゃないとか、そういうのも重なっているのか?
この父子、この家族は、一体どこへ行こうとしてるのでしょう・・・。
来週も、目が話せませんわよ。
かなり見応えのあるドラマでした。
個人的に、非常に好きなジャンルの話でもあるし、役者も揃ってる。
木村拓哉も良かったけれど、鈴木京香、中村トオルが見せてくれた。
西田敏行さん、「白い巨塔」の人とダブってしまったんだけど、この立場の
こういう人にはうってつけ、文句無しの配役でしたねぇ。
ちょっと笑ってしまった・・ごめんなさい。
北大路欣也さんの部下に武田鉄也さんで、ホテルの従業員か何かに
佐野史郎さんまで出てた。
そして、大蔵大臣・津川雅彦。 ワルそぉ~~~!コワそぉ~~~~!!
他、名前を挙げるとキリがない豪華なメンバーでした。
帝国製鉄と阪神特殊製鋼のモデル会社が、よ~~判りますね。
私の父は、ドラマで言うところの帝国製鉄の社員でした。
あの大きな高炉を動かす関連の仕事をしてました。
「鉄は国家なり」
この言葉を、私は幼少の頃に父から聞かされておりまして、あのセリフは
懐かしかった。
昭和40年代初頭と言えば、父の世代がバリバリと働き日本経済を
もっともっと上へ、上へと押し上げようとしていた時期でしょうか。
高度経済成長、真っ只中。
鉄平や銀平は、両親とほぼ同世代。
私が、産まれた頃の日本。
町並みは、あんな感じだったのか~。
記憶は無いけれど、自分が小さかった頃の写真から感じる匂いと同じものが
画面から感じられました。
お金持ちは、あんなんだったのか~。
まぁ、なんとも豪華そうなセットだった!!
漂う空気すらも、何億円かで購入したんかと勘違いしそうだった。
あの空気や雰囲気は、光の加減なのかな?
全体的に、黄色っぽい・・セピアとまでは行かない色のイメージが残る印象。
時代を感じさせる色。
鉄平の、相手によって違いが見える表情と声の変化が面白かった。
上手いと思いました。
末の妹に対する鉄平の視線は優しくて兄の愛情に溢れてましたね。
妻への視線と言葉掛けは、夫の愛情。
社員へは、上司としての責任感と同時に、戦う同士としての愛情。
専務でありながら、決して高慢な態度に出ない。
そして、執事であり父の愛人でもある高須相子(鈴木京香)への嫌悪感。
昔の恋人・鶴田芙佐子(稲森いずみ)への、やり場の無い複雑極まりない思い。
今回、この芙佐子との場面に一番緊張したかも・・・私。
後から追いかけてきた、妻(長谷川京子)が挨拶する時に妻の横顔を見た鉄平の
視線と表情。
「妻の・・」って言葉に、出来れば言って欲しくなかったような、この場に
来て欲しくなかったような、でもそう思ってはいけないジレンマ。
そんな鉄平とは逆に、一向に動じる様子も無く冷静に挨拶を交わし
スタスタと立ち去る芙佐子。
敏感に、直感的に何かを感じ取っている妻。
二人の姿を、そっと振り返って見つめる芙佐子。
ひえ~~~。
あの短い場面、いやはや豪く見応えがありました。
このドラマ、女が怖いですっ。
鈴木京香、めちゃめちゃ怖いです・・・・。
男の戦いのみならず、裏で繰り広げられる女の戦い。
あと、いったい万俵の爺様に何があったんだろうか。
原作を読んでおりませんので、そこら辺りの展開が楽しみです。
どの展開も期待大です!
ただ・・・ここは、大きな心で呟きを聞いてもらえるとありがたいんだけど・・。
自分に必死で
「突っ込むな・・・ここは、絶対突っ込むな・・・・突っ込んではイケナイっ ><」
と、堪えた鯉の場面。 私はイケナイ視聴者でしょうか。
鉄平に出生の秘密があるらしき事は伝わりました。
それを示唆する場面、あれは小説で・・活字で読んだのなら相当ドキドキしたと思う。
あれを、実写にするのは大きなチャンレンジだったんじゃなかろうか。
鯉の場面だけ、どうしても 私がダメダメ視聴者だからか、笑いをこらえてしまって
申し訳ない。
でも、好きです。このドラマ、好きです。